あえて光の「芯」外すフェザリングで自然光フォト

Photography

ライトを正面に置いて自撮りをしてみたけど背景も明るくなってしまいます。
加工アプリやプリクラのように確かに綺麗に映るのですが、
もっと影を付けた自然で立体的な写真は撮れないでしょうか?

この記事は、風俗経営8年のアマチュアフォトグラファー・赤木友厚が書いています。

本記事の内容

1、フェザリングでムラのない光


フェザリング?
聞きなれない言葉かと思います。
指にはめるフェザーリングではなく、ライティングのフェザリングです。
お間違いないように(笑)
フェザータッチのように触るか触らないくらいで、被写体に光をあてる、と言えばわかりやすいかと思います。

羽毛のように柔らかく、ムラの無い光

太陽や照明器具などの光は、中心部が光が強く、周辺部に行くほど光が弱くなります。
そのため光源の中心を被写体に直接向けてしまうと光の当たり方にムラが生じてしまいます。
フェザリングというテクニックがあります。
フェザリングはそういった光のムラを無くすため光の中心部からズラして、周辺部の光だけを利用しることです。


先日ヘブンネットのスタジオへ見学に行きました。
カーテン裏からライトを当てると柔らかい光になります。


カーテンに対して垂直にライトを当てるのではなく斜めにズラします。
プロは考え方もひとつ斜め上をいくんですね。


被写体の左側にハイライトが当たって立体的になります。
被写体に当たる光の質を柔らかくする効果が得られることも大きなメリットです。

2、フェザリングで奥行きある集合写真を綺麗に


奥行きある集団の撮影の時は注意が必要です。
手前の人物に光を向けると、後ろの人物に光が届かず残念な結果に。

一番奥の人物に向けて照明器具を発光する

光は距離が遠くなればなるほど光量が弱くなります。


一番前の人物にライトを当てると、奥の人物が暗くなる。


一番奥の人物にライトを当ててみました。
手前の2人はフェザリングで光軸の外れた光をかすめるように当てると全員がほぼ同じ明るさに。
みんなハッピーになれます♪

3、フェザリングで強調したい箇所を表現


暗闇でフラッシュを使って撮影すると人物と地面に光が当たります。
スポットライトに照らされている感じがあってこれはこれでよいかもしれません。
風景撮影なら良いかもしれませんが、人物を強調するのであれば好ましくありません。

光の照射角度を調節しよう

写真のどこにスポットを持っていくのかでライティングが変わります。
写メ日記のように人物が主役の場合、
光を人物のみに当てるよう、光の照射角度を調節してみてください。


地面が明るいと主役の人物へ目が行きにくいですね。
これはこれで舞台のスポットライトの様で印象的かも。


モデルさんに花火を手に持ってもらいました。
真っ黒なシルエットですね。
この状態から人物に余計な光が当たらない状態でライティングすると肌が綺麗に映ります。


モデルさんの顔のみにライトが当たるように調整しました。
人物全体にライティングしてしまうと花火の色と光が混じって変な色になるので気を付けました。

フェザリングのまとめ

フェザリングはムラのない均一で柔らかい光を被写体に当てることが出来るメリットがあります。・・・しかし、
被写体に光をかすめた先の背景が明るくなり過ぎたり、逆に被写体に光が遮られ背景が暗くなりすぎるデメリットもあります。

そんな時は反射板(白い板や鏡)などがあると便利です。
A4のコピー用紙、アルミホイル、白壁など光を反射できればなんでも結構です。
被写体を照明器具と反射板で挟み、反射板の角度や設置距離を調整することで背景の明るさを調節できます。
あえて光の「芯」外すことで、不毛布団に包まれた柔らかく自然な写真が簡単に撮れます。