昭和のカラーフィルム調が懐かしい
日本で最初にカラーフィルムが発売されたのは1953年。
今では当たり前なカラー写真だけど当時一般の人々がカラーの写真を見たときの感動はどのくらいだったのだろう。
この記事は、カラーフィルムが当たり前だった昭和50年代生まれのフォトグラファーが書いてます。
本記事の内容
1、歴史を振り返ることで未来を予測できる
先日ヨドバシカメラでドローンが1万円もしない価格で販売されていました。
一時期は数十万していましたが、小型化がすすみ、規制もないので手軽に購入できます。
来年には「ドローン映え」とか「ドローン女子」なんかが流行りそうですね。
空撮が自撮りできるのは衝撃で、多少高くても購買意欲が増しますね。
世界で3番目のカラーフィルム──18枚撮り=1本10円
1940年のこと、当時の値段は、35ミリ18枚撮りで1本10円。
小学校教員の初任給が50円〜60円の時代ですから、現在の価値に換算すると一本数万円になるでしょうか。
現在の感覚からするとプロカメラマンにスタジオで撮ってもらう価格になりますね。
ジャーナリストや軍関係を中心にかなりの需要があって、1944年に販売が中止されるまでに約20万本が売れたといいます。
カラーフィルムは今となっては誰でも安価に入手できます。
でも当時カラーフィルムで撮った写真は入手困難で高価になります。
つまり、1940年代で撮った日本のカラー写真はかなり貴重でお宝です。
2、カラーフィルムは年上の人にとって懐かしいもの、10代にとってはとても新しいもの
日本で最初にカラーフィルムが発売されたのは1953年。
白黒写真からカラー写真に変わった感動をしっているのは、
2020年現在、70代後半の以降の人々です。
マックスで懐かしさを感じる戦後間もない世代です。
でも何故か、カラーフィルムの「写ルンです」が若い世代にも受け入られています。
カラーフィルムは赤・緑・青の原色からなる
世界初のカラーフィルムはコダック社のコダクロームという商品でしたが、
紙に現像するのではなく、リバーサルフィルム(ポジフィルム)でスライドにして映写機で見ました。
白黒テレビも普及していなかった時代。
自分で写したカラー写真や映像をスクリーンに映写してみるのは大きな楽しみで、アマチュアカメラマンらに大きな人気となりました。
カラーフィルムは若い世代にとってはデジタルにはない斬新な写真に見えるようです。
でも赤・緑・青の原色からなる写真は世代共通です。
人気に火をつけた中心層は女子大生や10代、20代の若者のようですが、ここにも、ものやサービスの価値の変遷が見てとれますね。
3、実際にどんな加工をしたらカラーフィルム調になるの
デジタル写真をカラーフィルム調にするには、
昭和30年代以前の方に現像してもらった方が、又は指導して頂いた方が
より感動的でノスタルジックな雰囲気になると思います。
昭和50年代生まれの私には正確に表現できないかもしれません。でも、
現代のテクノロジーを使えば限りなくイメージに近づけます。
撮影場所は大晦日の神社、イエローの色調と粒子感
撮影風景
大晦日だったので人がほとんどいませんでした。
レトロ感を演出するなら歴史的建造物が映っているとベターです。
Lightroomで色調と粒子感を調整
彩度は落としてますが、ベースは鮮やかにしてます。
懐かしさは安心感を与えますので、イエローとレッドを加え温かみを出します。
気候は曇りだったので6500ケルビンで。
シャープ感は落としてます。
温かい色を中心に、色相、彩度、輝度を調整。
粗目の粒子を加えて、画面が暗くならないように、画像周辺を明るくしました。
まとめ
当時、写真はカラーフィルムを写真屋さんで現像しないと入手することはできませんでした。
昭和50年代生まれの私でも経験はあります。
現像されるまで写真がどんな仕上がりになっているかわからないドキドキ感が当時ありました。
- フィルムの方が、デジタルに比べてシャープ感がない
- 色が鮮やかではない
- 粒子が細かくない
これらは悪いもののように見えますが、若い世代に受け入れられていると良いものでもあるようです。
良いもの、つまり特徴であり、「味」でもあります。
この味は実際にカメラを手に取って撮ってみないとわかりません。
何故、技術が進んだ現在も、
スマホで高画質なカメラがあるのに、何故一台50万円の一眼レフカメラが販売されているのか。
ドン・キホーテに写ルンですが販売されているのか。
フィルムで撮るからわかる、どこか温かさのある懐かしい昭和の記憶があるのです。